電話番号等の基本情報が記憶されているSIM。格安SIMを利用する場合は、このSIMを購入する必要がありますが、SIMフリーをはじめとするこのSIMに関わる基本的なことを知っておきましょう。
格安スマホ本体とSIMの組み合わせにも注意しておくべきことが幾つかあります。
ここでは、SIMフリーを含めた基本的なSIMに関する情報をお届けします。
SIMフリー端末とは?
どの携帯会社のSIMカードでも使えるスマートフォンのことをSIMフリー端末と呼びます。SIMフリースマホと呼ばれることもあります。
SIMとは、小指大の小さなICチップのことで、電話番号や電話帳などのデータが保存されているICカードのことを指します。SIMが携帯端末に入っていてこそ、通話やデータ通信を利用できます。
かつて、携帯電話やスマートフォンは、docomoやau、SoftBankといった大手携帯会社(キャリア)と契約しなければ使えないという制限(SIMロック、後述)がありました。たとえば、docomoで購入・契約したスマホは、docomoでしか使えなかったのです。
一方、最近よく耳にするようになったSIMフリー端末なら、キャリアだけでなく、他の格安SIM会社(MVNO)が提供する安いSIMでも契約して利用することが可能です。格安SIMと呼ばれています。
SIMロックとは?
SIMフリーの正反対の状態がSIMロックです。
2015年4月までは、契約したキャリアでなければ電話の利用ができませんでした。なぜなら、キャリアが提供するSIMにはロック(キャリアや機種ごとの制限)が掛けられていて、他のキャリアの端末に差し込んでも使えなくしていたのです。
SIMにロックが掛けられていた理由は、「各キャリアが囲い込みを図るため」という裏事情の他にも、日本国内の通信規格や周波数帯が少しずつ違うので、キャリア各社がそれぞれSIMカードの提供を推し進めていたという事情もあります。
ただ、せっかく高いお金を出して購入したスマートフォンなのに、他のキャリアや格安SIM会社と契約できないのは大変不便です。各社の料金プランを比較して自分に合った携帯会社と契約しようにも、新たに端末を買い直さなければなりませんでした。
こうした消費者の不都合をなくすため、総務省のリーダーシップによりdocomo、au、SoftBankの大手3社が一斉にSIMロックを解除する動き、つまりSIMフリーへと流れました。
SIMロックの解除法
携帯キャリアから格安SIMのサービスに端末を持ち込んで継続して使用する場合、SIMロックの解除が必要な場合があります。
SIMロック解除には、
- 各キャリアの公式サイトにあるMyPageから
- ショップでの店頭手続き
- 電話
といった方法があります。
ショップや電話の場合、3,000円(税込3,300円)の手数料が発生しますが、MyPage経由でご自身で行う場合は無料です。
SIMロックの解除法については、
を参照して下さい。
海外のSIMフリー端末は、日本で使える?
日本のスマートフォンの価格は、世界的に見ても高いといわれています。そこで海外で購入したり、個人輸入したSIMフリー端末を使いたいと考える人が出てきました。
以前は、法律によって「技適マーク」(FCC認証・CEマークなど)の付いたスマートフォンでなければ日本国内では使えないという、利用に制限が掛けられていました。
しかし、2016年5月に法改正があり、基本的に海外の携帯端末を日本に持ち込み、国内のSIMを挿して使うことが可能となりました。つまり、「技適マーク」があってもなくても、世界中のスマートフォンを国内SIMで使うことができるようになったのです。
海外では、既にSIMフリーが当たり前。日本と違って、キャリア間で通信規格や周波数帯の違いが殆ど無いからです。
ほとんどがSIMロックなどがされていないSIMフリー端末だし、ネットショップなどをみると、国内の正規品より安く購入できることもあって、多くの方が、この海外製のSIMフリーのスマホを購入して格安スマホへ移行しようと思われるでしょう。
ただ、注意しなければならないのが、対応する電話回線(ドコモやauなど)の電波の周波数。
携帯の電波には、山岳部や場合によっては地方でもつながりやすいように700-900MHz帯はプラチナバンドと呼ばれており、スマホ本体と格安SIMの組み合わせによっては、このプラチナバンドが使えなくなる可能性が出てきます。
意味が良くわからないという方は、日本国内の正規品を購入された方が無難です。
白ロムって何?
スマートフォン端末からSIMカードを抜いた状態、その端末を白ロムと呼びます。
スマートフォンは、携帯会社から提供されたSIMカードを差し込み、その電話番号情報が端末内のROM(情報を記憶しておく場所)に書き込まれて初めて使用できます。
たとえば、ドコモと契約していたスマートフォンでも、解約してSIMカードを抜いてしまえばROMは真っ白な状態です。このため白ロムと呼ばれるようになりました。
白ロムの最大の特徴は、すべて、以前誰かが使っていた中古品だということです。したがって、人から譲ってもらうか、中古携帯電話を扱っている専門ショップやネットのオークションなどでしか手に入れることができません。
また、最新の機種では心配ありませんが、古い機種の場合、仮に最初docomoで購入・契約した端末なら、その後もdocomoでしか使用できません。つまり、白ロムであっても他のキャリアや格安SIM会社と契約できないことがあるのです。
SIMロックをキャリアで解除して使えるかどうかは、新たに契約しようとする会社の公式サイトに動作確認表がアップされています。必ずチェックしてください。
白ロムとSIMフリー端末の違い
それでは「白ロムとSIMフリー端末はどう違うの?」という質問が聞こえてきます。
現在、SIMフリー端末として発売されているスマートフォンなら、キャリアでも格安SIMでもほとんどの会社と契約可能で使えます。
一方、白ロムは、携帯ショップでSIMロックを解除してもらっても、希望するSIMと契約ができないケースがあります。ただ、最初の契約がdocomoの白ロムなら、たいていの格安SIM会社でそのまま使い続けることができます。