リモートワークが推進される中、WiMAXというモバイルWiFiに注目が集まっています。
リモートアクセス技術には、携帯キャリアの携帯網(4G LTE)を利用したサービスもありますが、このWiMAXは、このような携帯網とは異なる高速データアクセス網を使って、モバイルアクセスを実現しています。導入数も2,000万件を超えており、実績が豊富で安定したモバイルWiFiと言えるでしょう。
そして今では、auやUQコミュニケーションズが提供しているUQWiMAXというブランドで知られたWiMAXのサービスを、多くのプロバイダー(販売代理店)が付加価値を付けて販売。ただ、WiMAXの導入を検討中の方には、どこのプロバイダーと契約するのが良いのか迷われている方も多いのでは?
ここでは、複数のプロバイダーが提供中のWiMAXサービスを徹底比較。いくつかの項目毎におすすめのプロバイダーをピックアップしてみました。
WiMAXプロバイダー比較の前に知っておくべきこと
WiMAXを導入する方が増えています。同時に、WiMAXのサービスと機器を販売しているプロバイダーも増えてきました。
ここでは、プロバイダー選びで重要なポイントを幾つかまとめました。
5Gに対応したWiMAX+5Gも販売開始されました。
詳細は、

をご参照ください。
全プロバイダーは、UQWiMAXを再販している
WiMAXは、UQコミュニケーションズ株式会社(KDDIグループの電気通信事業者)が提供している高速通信が可能な無線アクセスサービスで、UQWiMAXとも呼ばれています。また、利用者が宅内やモバイル環境で使用するWiMAX用のWiFiルーターも、KDDIグループのUQコミュニケーションズからの提供になります。
以下、このページでご紹介していくGMOとくとくBBやブロードワイマックスは、プロバイダー(もしくは代理店)と呼ばれ、UQWiMAXのルーターと回線サービスに付加価値を付けて再販しています。
ですので、GMOとくとくBBが販売しているWiMAXも、ブロードワイマックスが販売しているWiMAXも、実はUQWiMAXの回線とルーターであることに変わりはありません。
WiMAXの速度とエリアは、プロバイダーに依存しない
従って、どのプロバイダーが提供するWiMAXであっても、WiMAXのサービスエリアやWiMAXの通信速度に違いはありません。
10GB/3日という容量制限もUQWiMAXが実施しているものなので、プロバイダーを変えたからといってこの制限がなくなることはありません。
WiMAXプロバイダー比較の重要ポイントは?
WiMAXのサービスエリアや回線スピード、WiMAXの通信仕様に関しては、プロバイダーによる差はありません。
違いは、料金(月額料金、キャッシュバック、LTEモードの有料/無料など)、お試しサービスの有無、契約期間や契約の縛り、サポートサービスです。
料金に関して
WiMAXのプロバイダーは、他プロバイダーとの差別化を図るために、月額料金を安くしたりキャッシュバックを導入しています。
確かに、月額料金が安いにこしたことはありませんが、料金でWiMAXのプロバイダーを比較する場合は、月額料金以外にもキャッシュバックの有り無し等含めて、2年間のトータル出費で比較すると良いでしょう。
以下でご紹介している「プロバイダー比較」では、2年間と3年間のトータル出費も算出していますので、是非、参考にして下さい。
キャッシュバックの注意点
キャッシュバックにも注意すべきところがあります。
確かに、高額のキャッシュバックは大変有り難いのですが、「裏」のある場合があるのでご注意下さい。
例えば、
- 高額キャッシュバック適用の条件として、「自分には”不要”と思えるオプションに加入すること」が必要の場合があります。「数カ月後に解約可能!」とあっても、実際数カ月後には、その不要なオプションに加入していた事自体忘れていたということが多く、そのまま不要な料金を払い続けていたということも…
- 実際にキャッシュバックされるタイミングは、10ヶ月や12ヶ月先!ということも。プロバイダーから通知がなければ、忘れてしまいますよね!
このような高額のキャッシュバックに誘導されないようご注意下さい。気がついたら「不要なオプションを払い続け、且つ、キャッシュバックされることすら忘れていた」とならないように…
WiMAXサポート等のサービス
トラブルが起きた時の電話の繋がりやすさ、対応の質、レスポンスの良さなどです。実際には、Twitter等の口コミや評判が非常に参考になります。
この他にも、お試しが出来る、契約年数と契約の縛りの有り・無しで比較すると良いでしょう。
■ お試しが出来る
事前のお試しの重要性については、既に説明しました。
プロバイダーの中には、このお試しのサービスを提供しているところがあります。「8日のお試し」を謳っているところもありますが、この「8日間」で本当にお試しが出来るのかどうかは、人によって事情が違ってきますのでご検討ください。
UQコミュニケーションズのUQWiMAXには、「Try WiMAX」という15日間のお試しサービスがありますので、積極的に活用しましょう。その後の実際の契約は、月額料金の安いプロバイダーと行うことも可能です。
■ 契約年数と契約の縛り
WiMAXの契約をプロバイダーと結ぶ際のネックが、この「契約年数」と「契約の縛り」です。
契約年数は3年、しかもその間の途中解約の解約料は高額!となっているプロバイダーが多いです。
技術革新が目まぐるしいスピードで進んでいく昨今、数年後のモバイルWiFi技術の進化を見通すのは難しいです。お住まいの地域で「5G」サービスが始まっているかもしれません。楽天モバイルのアンリミット Vのサービスが始まっているかもしれません。
なので、契約期間はできるだけ短いほうが良いのは言うまでもありません。一番良いのは、解約金なしでいつでも解約できることです。
特に、引っ越し等で途中解約する可能性のある方は、注意されたほうが良いですね。
UQWiMAXとプロバイダー4社を徹底比較
実は、UQWiMAXを直接提供しているUQコミュニケーションズともUQWiMAXの契約をすることができます。
ここでは、このUQコミュニケーションズ(UQWiMAX)を含めて、以下の5社のプロバイダーを比較してみました。
- UQWiMAX
- GMOとくとくBB(「高額キャッシュバック」と「月額低額」の2プランあり)
- Biglobe WiMAX2+
- Broad WiMAX
- カシモ WiMAX
UQWiMAXの回線サービス
まず、UQコミュニケーションズが提供するUQWiMAXの回線サービスについてまとめてみました。
表示は税込。
メリット | UQWiMAXを直接販売! 「Try WiMAX」で、15日間の 契約期間が3種類あって 解約時の解約料が安い |
デメリット | プロバイダー経由と比較して、 端末代金が発生する。 |
利用できる 回線 | WiMAX2+ |
通信量 | WiMAX2+:ギガ放題 |
キャンペーン | – |
キャッシュ バック | – |
取り扱いルーター の種類 | W06/WX06、 W05/WX05 HOME 02/L02、 HOME 01/L01 |
ルーター代金 | 16,500円(税込) |
送料 | なし |
配送 | 申込み完了後、約1週間。 |
お試し | 15日間お試しができる 「Try WiMAX」がある。 |
ギガ放題プラン | ○ |
ギガ放題 プラン月額 料金 | 2年自動更新あり・なし: 4,268円 期間条件なし: 4,455円 |
7GBプラン | ☓ |
7GBプラン料金 | – |
LTEオプション | ○(1,105円/月) |
契約期間 | ・2年自動更新あり ・2年自動更新なし ・期間条件なし が選べます。 |
解約料 | 1,100円 0円(期間条件なしの場合) |
事務手数料 | 3,300円 |
2年トータル | 【2年自動更新あり・なし】 【契約期間条件なし】 |
実質月額 | 【2年自動更新あり・なし】 【契約期間条件なし】 |
支払い方法 | クレジットカード 口座振替 |
WiMAXのおすすめプロバイダーを比較
まず、UQWiMAXのプロバイダーを利用するメリット・デメリットをあげてみました。
■ メリット
- 月額料金が、auやUQWiMAXより安くなるところが多い。
- モバイルWiFiルーターの端末代金が0円になるところが多い。
- 特典やキャッシュバックが用意されているところもある。
- データ容量無制限以外に、7GBのサービスが提供されている。
が挙げられます。
一方、デメリットとしては、
■ デメリット
- 契約期間が3年というところが多い。
- 契約違約金(解約料)も高く設定されているところが多い。
が挙げられます。
UQWiMAXの導入を検討される場合は、以下のおすすめプロバイダーとの契約を検討してみても良いでしょう。
ここでは、
■ GMOとくとくBB(「高額キャッシュバック」と「月額低額」の2プランあり)
■ Biglobe WiMAX2+
■ Broad WiMAX
■ カシモ WiMAX
について、徹底比較してみました。
ご注意)下表は← スワイプ → できます。
メリット・デメリットで比較
GMO 高額CB | GMO 月額低額 | Biglobe WiMAX2+ | Broad WiMAX | カシモ WiMAX | |
---|---|---|---|---|---|
メリット | キャッシュ 8日間、20日 | 月額料金が 8日間、20日 | 契約期間が 解約時の解約 キャッシュ | 月額料金が 乗り換え | 月額料金が 安い。 |
デメリット | キャッシュ 契約期間が | キャッシュ 契約期間が | 端末代金が LTEオプショ お試し不可。 | 契約期間が 解約時の解約 お試し不可。 サポートの | 契約期間が 解約時の解約 |
注1)ブロードワイマックスの「乗り換えキャンペーン」とは、現在ご利用中のインターネットサービスの解約解除料として、最大19,000円のキャッシュバックがもらえるというものです。
料金で比較
GMO | GMO 月額低額 | Biglobe WiMAX2+ | Broad WiMAX | カシモ WiMAX | |
---|---|---|---|---|---|
取り扱い ルーター | W06/WX06 | W06/WX06 | W06/WX06 | W06/WX06 | W06/WX06 HOME 02/L02 |
ルーター 代金 | 0円 | 0円 | どれも | 0円 | 0円 |
キャッシュ バック | 最大 31,500円 (ルーター に依存) | 3,000円 | 15,000円 | 0円 | 0円 |
ギガ放題 月額 | サービス 開始月: 日割り 1~2ヶ月目: 3,970円/月 3ヶ月目以降: 4,689円/月 | サービス 開始月: 日割り 1~2ヶ月目: 2,849円/月 3~24ヶ月目: 3,678円/月 25ヶ月目以降: 4,689円/月 | サービス 開始月: 0円 1ヶ月目以降: 4,378円/月 | サービス 開始月: 日割り 1~2ヶ月目: 2,999円/月 3~24ヶ月目: 3,752円/月 25ヶ月目以降: 4,412円/月 | サービス 開始月: 1,518円 1ヶ月目: 1,518円/月 2~24ヶ月目: 3,938円/月 25ヶ月目以降: 4,487円/月 |
LTE オプション | 0円 | 0円 | 1,105円/月 | 0円 | 0円 |
初期費用 | 事務手数料 3,300円 端末代: 0円 送料: 0円 | 事務手数料 3,300円 端末代: 0円 送料: 0円 | 事務手数料
| 事務手数料 18,857円の | 事務手数料 3,300円 端末代: 0円 送料: 0円 |
2年 トータル (注2) | 79,754円 | 86,623円 | 112,992円 | 91,843円 | 95,392円 |
3年 トータル (注3) | 136,026円 | 142,894円 | 165,528円 | 144,789円 | 149,235円 |
2年実質 月額 | 3,323円 | 3,610円 | 4,708円 | 3,827円 | 3,975円 |
3年実質 月額 | 3,778円 | 3,970円 | 4,598円 | 4,022円 | 4,146円 |
7GBプラン | ○ | ○ | なし | ○ | ○ |
7GBプラン 月額 | 3,970円 | サービス 開始月: 日割り 1~2ヶ月目: 2,849/月 3~24ヶ月目: 2,959円/月 25ヶ月目以降: 3,970円/月 | – | サービス 開始月: 日割り 1~24ヶ月目: 2,999円/月 25ヶ月目以降: 3,659円/月 | サービス 開始月: 1,518円 1ヶ月目: 1,518円/月 2~24ヶ月目: 3,278円/月 25ヶ月目以降: 3,717円/月 |
GMO 高額CB | GMO 月額低額 | Biglobe WiMAX2+ | Broad WiMAX | カシモ WiMAX |
注2)2年間のトータル費用は、月額料金 x 24 +事務手数料+端末代金 – キャッシュバックで計算しています。
注3)3年間のトータル費用は、月額料金 x 36 +事務手数料+端末代金 – キャッシュバックで計算しています。
■料金で比較した場合のおすすめのプロバイダーは?
2年間のトータル出費額(税込)を計算し、安い順番に並べてみると、
1.GMOとくとくBB 高額キャッシュバックプラン:
79,754円
2.GMOとくとくBB 月額料金定額プラン:
86,623円
3.ブロードワイマックス:
91,843円
4.カシモWiMAX:
95,392円
5.Biglobe WiMAX2+:
112,992円
6.UQWiMAX(UQコミュニケーションズ):
111,120円
となります。
お試し・契約期間・解約料で比較
GMO | GMO 月額低額 | Biglobe WiMAX2+ | Broad WiMAX | カシモ WiMAX | |
---|---|---|---|---|---|
お試し | ○ 8日間 20日間 | ○ 8日間 20日間 | ☓ | ☓ | ☓ |
契約期間 | 3年 自動更新 | 3年 自動更新 | 1年 自動更新 なし | 3年 自動更新 | 3年 自動更新 |
解約料 | 1~12ヶ月: 20,900円 13~24ヶ月: 15,400円 25ヶ月以降: 10,450円 (但し、更新月 は0円) | 1~12ヶ月: 20,900円 13~24ヶ月: 15,400円 25ヶ月以降: 10,450円 (但し、更新月 は0円) | 1~12ヶ月: 1,100円 13ヶ月目以降: 0円 | 12ヶ月以内: 20,900円 13~24ヶ月: 15,400円 25ヶ月目以降: 10,450円 (但し、更新月 は0円) | 12ヶ月以内:20,900円 13~24ヶ月:15,400円 25ヶ月目以降:10,450円 (但し、更新月は0円) |
■ 契約期間と解約金で比較した場合のおすすめのプロバイダーは?
1.UQWiMAX(UQコミュニケーションズ):
契約期間の有無が選べる、1,100円
2.Biglobe WiMAX2+:
契約期間1年、1,100円
3.GMOとくとくBB 高額キャッシュバックプラン:
契約期間3年、最大20,900円
3.GMOとくとくBB 月額料金定額プラン:
契約期間3年、最大20,900円
3.ブロードワイマックス:
契約期間3年、最大20,900円
3.カシモ WiMAX:
契約期間3年、最大20,900円
となります。
支払い方法で比較
GMO | GMO 月額低額 | Biglobe WiMAX2+ | Broad WiMAX | カシモ WiMAX | |
---|---|---|---|---|---|
支払方法 | クレジット カード | クレジット カード | クレジット カード 口座振替 | クレジット カード 口座振替 | クレジット カード セゾンカード |
WiMAXはここがポイント
WiMAXは、携帯キャリアの4G LTEとは異なるサービスのため、特に初めて導入される方には押さえておきたいポイントが幾つかあります。
ここでは、WiMAXを導入する前に知っておきたいポイントを幾つかまとめました。
WiMAXの電波特性とサービスエリア
WiMAXは、大手携帯キャリアの4G LTEとは違うモバイルアクセス技術です。「携帯やスマホが使えるから、WiMAXも使えるだろう」は誤りですのでご注意下さい。
WiMAXの特徴(気をつけておくべきこと)として、以下の2点があります。
- サービスエリアが4G LTEより狭い
- 電波の届きにくい場所がある
1. 4G LTEと比較してサービスエリアが狭い
既に2,000万台以上の実績があるWiMAX。非常に多くの方が利用している実績あるモバイルアクセス技術ですが、スマホや携帯で使用される4G LTE と比べると基地局数が少ないです。そのため、
- サービスエリアが4G LTEより狭い
- サービスエリア内であっても、実際にはWiMAXが届かいないエリアがある
ので、ご利用の際には注意が必要です。
総務省の資料、
平成30年度携帯電話・全国BWAに係る電波の利用状況調査の調査結果及び評価結果の概要
の9ページ目には、各携帯キャリアの基地局数が示されています。それによれば、
- NTTドコモのLTE/4G基地局数:202,400局
- auのLTE/4G基地局数:119,100局
- ソフトバンクのLTE/4G基地局数:126,500局
なのに対し、
- UQのBWA(WiMAX)の基地局数:63,500局
と、UQWiMAXの基地局数は、各携帯キャリアのそれと比較して非常に少ないことがわかります。
■ 4G LTEよりサービスエリアが狭い
実際、auやソフトバンク等の4G LTEとWiMAXのサービスエリアを比較すれば、具体的で分かりやすいでしょう。
例えば、au 4G LTEの石川県・富山県のサービスエリアをみてみると、
(UQWiMAXのサービスエリアに掲載されているau 4G LTEから引用)
一方、WiMAXのサービスエリアはどうでしょうか?上記au 4G LTEと同じエリアを見てみると、
(UQWiMAXのサービスエリアから引用)
のように、UQWiMAXのサービスエリアが狭くなっています。
ちなみに、ソフトバンクの4G/4G LTE のサービスエリアは、
(ソフトバンクのサービスエリアから引用)
となっています。
■ サービスエリア内でも、WiMAXが届かないエリアがある
もう一つの問題は、WiMAXのサービスエリア内であっても電波が届かない空白のエリアが存在しやすいということです。これも、基地局数が少ないことから発生する問題と言えるでしょう。
ただ、具体的に何処が空白のエリアか?は、実際に試してみないと分からないというのが現状です。
2. 電波の届きにくい場所がある
WiMAXの特徴の一つに、高速通信が可能というのがあります。
現在の通信速度は下り最大440Mbps、上り最大30Mbpsと大幅に高速・大容量化されています(但し、機器や提供エリアの対応状況により、最大220Mbpsまたは110Mbpsとなります)。
ただ、高速通信が可能な反面、WiMAXの電波の特性として直進性が高いので、窓際で問題なく使えても奥まった室内では使えない、地上で使えても地下街に入ると使えなくなる、といった問題が発生する場合があります。
「サービスエリア内だから問題なく使える!」とはならないので、注意が必要です。
3.事前に試してみることが重要!
以上のことから、WiMAXを導入する前の「お試し」「検証」はとても重要です。
幸い、このWiMAXサービスを提供しているUQWiMAXには、「Try WiMAX」という15日間のお試しサービスがあります。他にも、GMOとくとくBBには、20日間のお試しサービスがあります。
サービスエリア内にあっても、WiMAXのWiFiルーターを設置予定の場所が奥まった部屋であったり、ビルの陰になるような場所では、WiMAXの電波をうまく受信できず、「通信速度が出ない」、最悪の場合は「繋がらない」「通信できない」という事態にもなりかねません。
特にWiMAXの場合は、事前の「お試し」が重要です。
WiMAXの通信モード
WiMAXには、WiMAX特有の
- ハイスピードモード
- ハイスピードプラスエリアモード
- LTEモード
があります。これらはUQWiMAXの仕様であり、販売代理店であるプロバイダーによって仕様が変わることはありません(但し、LTEモードが有料か無料かは、プロバイダーによって違いがあります)。
WiMAXは、既にご説明したように、
- 4G LTEと比較してサービスエリアが狭い
- 電波の特性上直進性が高く、奥まった部屋やビルの陰、地下街等で届きにくい場合がある
といった性質があります。
この弱点をカバーする方法として、WiMAXと4G LTEを併用するモードが用意されています。下表の「ハイスピードプラスエリアモード」は、この両者が併用できるモードです。
モード | ハイ スピード | ハイスピード プラスエリア |
---|---|---|
どのような モード | WiMAX及びWiMAX2+を 利用するモード。 現在は、WiMAXのサービス が縮小されているので、 WiMAX2+を利用すること になります。 | WiMAX2+に加えてauの |
対応 通信方式 | WiMAX2+ | WiMAX2+、 au 4G LTE |
最大速度 | 110Mbps 220Mbps 440Mbps | 75Mbps 350Mbps |
メリット | 高速。 「ギガ放題」プランであれ ば、データ容量に制限が ない。 | 通信エリアが広がる。 (室内や地下などでも より使いやすくなる) |
デメリット | 3日10GBの制限がある。 (注) | プランに関わらず 月間7GBの制限、 3日で10GBの制限 (注)がある。 ギガ放題プランでも こちらのモードで使用す ると、月間7GBの制限が 適用される。 |
注)「3日で10GB」ってどれくらいでしょうか。こちらをご参照下さい。
LTEモードとは、「ハイスピードプラスエリアモード」が使えるようにするモード(オプション)です。このLTEオプションを使用すると、月額料金以外に1,105円/月の利用料が発生します(プロバイダーによっては、この料金が発生しないところもあります)。
データ容量と通信速度の制限
WiMAXを利用する際に気をつけなければならないのが、データ通信容量と通信速度の制限です。
上記の「ハイスピードモード」 vs 「ハイスピードプラスエリアモード」の表にあるデメリットにも記載していますが、WiMAXには、2種類の制限があります。
- 10GB/3日
- 7GB/月
10GB/3日の制限
3日間で10GBを超えるデータ通信量が発生した時に、概ね1Mbpsの速度制限がかかるというものです。
速度制限がかかる ご利用データ量 | 直近3日間で10GB以上(「WiMAX 2+」 と「au 4G LTE」のデータ量の合計) |
制限時間 | 3日間で10GBを超えた日の翌日の ネットワーク混雑時間帯 (18時頃~翌2時頃) |
制限後の最大通信速度 | 概ね1Mbps(YouTube動画の標準 画質レベルが視聴可能な速度) |
詳細は、UQWiMAXのこちらのページをご覧ください。
7GB/月の制限
「ハイスピードプラスエリアモード」(LTEモードをオン)で使用した時に、当月の「WiMAX」と「au 4G LTE」の通信量の合計が7GBを超えた場合、当月末までの「WiMAX」及び「au 4G LTE」の通信速度が送受信最大128kbpsに制限されます。
この制限は、翌日の昼ごろから当月末まで128Kbpsに制限され、翌月1日の午前0時まで解除されません。
つまり、月の始めあたりでこの速度制限を受けてしまうと、その月の残りはずーっと128kbpsの速度制限を受けたままの状態。全く使い物にならないWiMAXとなりますので注意が必要です。
尚、WiMAXのみを使用した「ハイスピードモード」(ギガ放題)には、この制限はありません。
WiMAXルーターはどれを選ぶべき?
WiMAXルーターには、大きさ・形状と使い方により大きく2つのタイプがあります。
- モバイルルーター(小型・軽量。持ち運びが出来る)
- ホームルーター(据え置き型。主に自宅に設置しAC電源を使用)
UQWiMAXが取り扱っているWiMAXルーターを比較してみました。
WiMAXモバイルルーター
形状がスマホ程度の小型・軽量タイプになります。持ち運びができるので、外出先でも使えます。
ご注意)下表は← スワイプ → できます。
WX06 | W06 | WX05 | W05 | |
---|---|---|---|---|
写真 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
メーカー | NECプラット フォームズ | HUAWEI | NECプラット フォームズ | HUAWEI |
特徴 | WiFi 2.4/5GHz 同時利用可能 | 下り最大 1.2Gbps 対応 | WiMAX ハイパワー 対応 | 下り最大 758Mbps 対応 |
対応 ネットワーク | WiMAX 2+ au 4G LTE | WiMAX 2+ au 4G LTE | WiMAX 2+ au 4G LTE | WiMAX 2+ au 4G LTE |
通信速度 (最大値) | 下り: 440Mbps 上り: 75Mbps | 下り: 1.2Gbps 上り: 75Mbps | 下り: 440Mbps 上り: 75Mbps | 下り: 758Mbps 上り: 112.5Mbps |
サイズ | 111× 62× 13.3mm | 128× 64× 11.9mm | 111× 62× 13.3mm | 130× 55× 12.6mm |
重量 | 127g | 125g | 128g | 131g |
連続 通信時間 | 約11.5時間 | 約9時間 | 約11.5時間 | 約9時間 |
バッテリー | 約630分 (注1) | 約540分 (注2) | 約10.5時間 (注1) | 約540分 (注2) |
WiFi | 2.4GHz: n/g/b 5GHz: ac/n/a | 2.4GHz: n/g/b 5GHz: ac/n/a | 2.4GHz: n/g/b 5GHz: ac/n/a | 2.4GHz: n/g/b 5GHz: ac/n/a |
同時接続 台数 | 16台 | 16台 | 16台 | 16台 |
UQWiMAX 販売価格 | 16,500円 | 16,500円 | 16,500円 | 16,500円 |
注1)ハイスピードプラスエリア(HS+A)モードのスタンダード設定時。
注2)WiMAX 2+、スマート設定時
UQWiMAXの場合、どのモバイルルーターも16,500円(税込)です。
Biglobe WiMAX2+の場合、どのモバイルルーターも、21,120円(税込)です。
その他のプロバイダーでは、0円です。
WiMAXホームルーター
据え置き型になります。ACコンセントにつないで使用するので、ご自宅での使用となります。
ご注意)下表は← スワイプ → できます。
HOME 02 | HOME L02 | HOME 01 | HOME L01 | |
---|---|---|---|---|
写真 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
メーカー | NECプラット | HUAWEI | NECプラット フォームズ | HUAWEI |
特徴 | 下り最大 440Mbps | 下り最大 1.0Gbps | WiMAX ハイパワー 対応 | 下り最大 440Mbps |
対応 ネットワーク | WiMAX 2+ au 4G LTE | WiMAX 2+ au 4G LTE | WiMAX 2+ au 4G LTE | WiMAX 2+ au 4G LTE |
通信速度 (最大値) | 下り: 440Mbps 上り: 75Mbps | 下り: 1.0Gbps 上り: 75Mbps | 下り: 440Mbps 上り: 75Mbps | 下り: 440Mbps 上り: 75Mbps |
サイズ | 50× 118× 100mm | 93× 178× 93mm | 70× 155× 100mm | 93x 180× 93mm |
重量 | 218g | 436g | 338g | 493g |
有線LAN | 1000BASE-T/ 100BASE- TX×1ポート | 10BASE-T、 100BASE- TX、 1000BASE- T (ギガビット対応) /2ポート | 1000BASE- T/ 100BASE- LANポート: 2台 | 1000Base-T/ 100Base-TX/ 10Base-T |
WiFi | 2.4GHz: n/g/b 5GHz: ac/n/a | 2.4GHz: n/g/b 5GHz: ac/n/a | 2.4GHz: n/g/b 5GHz: ac/n/a | 2.4GHz: n/g/b 5GHz: ac/n/a |
同時 接続台数 | 20台 | 40台 | 最大22台 (LANポート: 2台、 2.4GHz:10台、 5GHz:10台) | 42台 (LANポート×2台、 Wi-Fi SSID×2×20台) |
UQWiMAX 販売価格 | 16,500円 | 16,500円 | 16,500円 | 16,500円 |
WiMAXで使用されるWiMAXルーターは、プロバイダー経由の販売含めて上記でご紹介したもの、あるいは型落ちしたルーターになります。
UQWiMAXの場合、どのモバイルルーターも16,500円(税込)です。
Biglobe WiMAX2+の場合、どのモバイルルーターも、21,120円(税込)です。
その他のプロバイダーでは、0円です。
2つあるWiMAX料金プラン。どちらがおすすめ?
WiMAXには、大きく2つの料金プランがあります。
- ギガ放題プラン
- 7GBプラン
です。
ギガ放題プラン
WiMAX2+という高速通信回線をメインに使用します。LTEモードをオンにしておけば、WiMAX2+が受信できない場合、4G LTEが利用できます。
メリット
- 10GB/3日のデータ容量制限内であれば、データ容量を気にすることなく無制限に使えます。
- クラウドSIM方式等に比べると、高速通信が期待できます(但し、電波の受信状態によります)。
- LTEモードをオンにすれば、WiMAX2+の電波が受信できない時、4G LTEが使える。
- 10GB/3日で1Mbpsの速度制限がかかっても、翌々日には制限が解除されます(解除のタイミングが早い)。
デメリット
- このページの最初の方で触れていますが、WiMAX2+は4G LTEと比べてサポートエリアが狭いので、導入時には「お試し」を行うなど十分な検討が必要です。
- また、場所を移動してWiMAXを使う場合、電波が届かないエリアもあるので要注意(地下街など)。
- LTEモードをオンにして少しでも4G LTEを使用してしまうと、その月のデータ容量が7GBに制限されてしまいます。またその月は、LTEモードを使用したとして、別途1,105円/月の料金が発生する場合があります(但し、プロバイダーによります)。
- 10GB/3日を超えた場合は、概ね翌日の18:00~26:00の間、通信速度が1Mbpsに制限されます。
7GBプラン
毎月のデータ容量を7GBに制限したプランです。
メリット
- ギガ放題プランより月額料金が安い。
- WiMAXのみでは通信出来ない時、4G LTEが使える。
デメリット
- WiMAXのみでは通信出来ない時、4G LTEが使えるというメリットがありますが、月間最大7GBまでしか使えません。
- 少しでも7GBを超えてしまうと、翌月1日の午前0時まで通信速度が128kbpsに制限されたまま(当月中は解除されません。)。
おすすめは、「ギガ放題」
以上、「ギガ放題プラン」と「7GB/月プラン」のメリット・デメリットを比較してもお分かりの通り、おすすめは「ギガ放題プラン」です。
ただ、場所を移動して使用しWiMAXの電波の受信状態が思わしくない場合は、LTEモードをオンにして使用する必要があり、プロバイダーによっては、別途料金が発生してしまうのでご注意下さい。
WiMAXのよくある質問
WiMAXのメリット・デメリットは?
WiMAXのメリットは、
- WiMAXの電波状況が良ければ、4G LTEと比べて高速通信が可能。
- 「ギガ放題」プランの場合、3日間で10GBを超えなければ使いたい放題。
- 3日間で10GBを超えても、制限される通信速度は1Mbpsなので、動画以外はそこそこ使える。
- UQWiMAXの「Try WiMAX」で導入前のお試しができる。
一方、WiMAXのデメリットは、
- 携帯キャリアの4G LTEと比べると、サービスエリアが狭い。
- WiMAXの電波は直進性が高いので、奥まった部屋やビルの陰にあたるところ、地下街等では、通信速度が低下したり、最悪、通信できない事態に陥る場合がある。
- ハイスピードプラスエリアモード(WiMAXと4G LTEの併用モード)で少しでも4G LTEを使用してしまうと、「ギガ放題」プランでも月間の使用量が7GBに制限されてしまう。
ルーター設置の注意点は?
WiMAXのデメリットは、4G LTE と比べてサービスエリアが狭いことです。
また、電波の特性上直進性が高いので、奥まった部屋やビルの陰にあたるところでは受信できない可能性があります。しかも、ホームルーターの場合、AC電源を使用するので設置場所が限られてしまいます。設置場所には気を使う必要があります。
UQコミュニケーションズのUQWiMAXの「Try WiMAX」等を利用して、導入前に「お試し」されることをおすすめします。設置可能な場所の確認とそこでの通信速度を把握して下さい。
10GB/3日の制限とは?
WiMAXを「ギガ放題」で使用した場合のデータ使用量の制限です。10GB/3日を超えて使用すると、概ね翌日の18:00~26:00の間、通信速度が1Mbpsに制限されます。それ以降は、通常通り使えるようになります。
ハイスピード+エリアモードとは?
ハイスピード+エリアモードは、「WiMAXは4G LTEと比べてサービスエリアが狭い」というデメリットをカバーするために生まれた、WiMAXと4G LTEを併用して使用できる通信モードです。
WiMAXは、地下街等に入ってしまうと受信できなくなる場合があります。そのような時に「LTEモード」をオンにしてこの「ハイスピードプラスエリアモード」を使えるようにしておくと、4G LTEで通信できるようになります。
但し、4G LTEを少しでも使用してしまうと、その月のデータ使用量は7GBに制限されてしまうのでご注意下さい。また、プロバイダーによっては、月額料金とは別に、1,105円/月の料金が発生してしまう場合があるのでご注意下さい。
WiMAXとW06を試してみた
WiMAX2+の電波はauの携帯(4G LTE)と異なり、最適な電波をつかめる場所を見つけ出すのが難しいと言えます。
場所によっては電波の届かないところがあったり、電波が届いても微弱なため通信速度が遅いといった問題が発生しがち。従って、事前に「お試し」されることをおすすめします。
このサイトの管理人である私も、実際にWiMAX2+のW06ルーターを契約して実際に試してみました。
評判や口コミとしてまとめてみましたので、以下の記事を、是非、ご覧ください。

WiMAX比較のまとめ
月間のデータ容量が30GBでも50GBでも足りない!というヘビーユーザーの方が増えています。
主に、動画や映画の視聴、ゲーム等が主な使い方だと思われますが、スマホの携帯回線では料金が高すぎるし通信速度が遅いという不満がありました。
そのようなヘビーな使い方をされる方には、固定の光回線を導入するという選択肢があります。しかし、そもそも設置できない、工事が大変、直ぐに光回線を引けない等の理由から、光回線の導入を諦める方も多いようです。
そんな方々におすすめしたいのが、ここで取り上げたWiMAXを利用したモバイルWiFiです。
WiMAXには、
- 設置・導入が簡単。設定がほとんど不要、すぐに繋がる
- 月額3,000円程度の料金から使える
- 自宅だけでなく外出先でも使える
- WiMAX回線サービスに付加価値を付けて再販するプロバイダーが多い
等のメリットがあり、今、注目を浴びています。
「契約の縛り」や「速度制限」を設けているプロバイダーもありますが、選択肢は多数あります。
このページの内容を、モバイルWiFiプロバイダー選びに活かして頂ければ幸いです。