2020年12月頭にNTTドコモより「ahamo」の発表があってから、携帯大手3社だけでなく格安スマホ・格安SIM各社も新しい料金プランを発表。料金の低廉化に拍車がかかっています。
特に、ここで注目したいのが、月間のデータ容量が20GB以下の小・中容量の料金です。
実は、スマホユーザーの約8割が月間のデータ使用量は7GB以下というデータがあるように、多くの方は、20GBというデータ容量よりも、月間データ容量1桁という小容量の料金の方に関心が高いのではないでしょうか?
ahamoやpovo、LINEMO(旧仮称SoftBank on LINE)という携帯大手3社から発表のあった新料金は、20GBに焦点が当たっていましたが、これほどの容量のデータを使用するユーザーは、デジタルネイティブの方や20代の若い方々。残りの多くの方は7GB以下なのです。
ということで、ここでは、月間のデータ容量20GB以下の格安SIM各社の新料金プランを比較してみました。
20GB以下の小・中容量で月額料金を比較
携帯大手3社から新料金プランの発表が相次いだ時は、「これで格安スマホ・格安SIMは終わりだ!」という声があちこちで聞かれました。
しかし、その後、サブブランドを含む格安SIM各社からも新料金プランの発表が行われました。特に、20GB以下の小・中容量ユーザーに焦点を当てた料金体系になっており、これこそ、多くのスマホユーザーが関心のあった発表だったのではないでしょうか?
2020年末から2021年の2月にかけて、発表があった格安SIM(サブブランドや楽天モバイルも含む)は以下のとおりです。
- ワイモバイル(SoftBankのサブブランド)。新料金プランのスタートは、2/18から。
- UQモバイル(KDDI(au)のサブブランド)。新料金プランのスタートは、2/1から。
- mineo(関西電力の子会社オプテージが展開する格安SIMのブランド)。新料金プランのスタートは、2/1から。
- 楽天モバイル。新料金プラン(UNLIMIT-VI)のスタートは、4/1から。
- IIJmio(インターネットイニシアティブが展開する格安SIMのブランド。新料金プランのスタートは、4/1から。
以上の5社に、NTTドコモ系の格安SIMであるOCNモバイルONEとイオンオバイル含めて、20GB/月以下の料金を比較してみました。
分類 | 使用回線 | いつから | |
---|---|---|---|
楽天モバイル | MNO | 楽天回線 | 2021年4月1日 |
UQモバイル | MNO | au | 2021年2月1日 |
ワイモバイル | MNO | SoftBank | 2021年2月18日 |
OCNモバイルONE | MVNO | NTTドコモ | 未発表 (下図は従来の 料金を表示) |
mineo | MVNO | NTTドコモ au SoftBank | 2021年2月1日 |
イオンモバイル | MVNO | NTTドコモ au | 未発表 (下図は従来の 料金を表示) |
IIJmio | MVNO | NTTドコモ au | 2021年4月1日 |
注)
MNO:Mobile Network Operator。自ら回線を所有し、自ら運用・拡張・サポートができる運用者。
MVNO:Mobile Virtual Network Operator。ドコモ/au/SoftBankから回線を借り受けている運用者。運用・拡張・サポートは、ドコモ/au/SoftBankに依存する。
また、以下の点にご注意下さい。
- SIMには幾つかの種類がありますが、下表は通話機能付きのSIM(通話+SMS+データ通信)で料金を比較しています。
- 通話料金は含まれていません。下表の料金では、通常、22円/30秒の料金が発生します。
- ご参考までに、携帯大手3社の20GB以下の料金(税込)は、以下のとおりです。
・NTTドコモ「ahamo」:2,970円/月。5分かけ放題含む。
・KDDI「povo」:2,728円/月。
・SoftBank「LINEMO」:2,728円/月。
■ 料金比較1:20GB以下の場合
■ 料金比較2:7GBまでの場合(上のグラフから、データ容量0 – 7GBを拡大してみました(↓↓)。)
単純に料金だけをみて、この表から言えることは、
- 7GB/月以下では、IIJmio、楽天モバイルもしくはmineoがおすすめ。
- 3GB/月以下であれば、IIJmio、楽天モバイルが安い。特に、楽天モバイルの1GB/月であれば無料というのは驚き!
- UQモバイルとワイモバイルを比較してみると、0~20GB/月全般に渡ってUQモバイルの方が安くなっている。
- NTTドコモからは、この0~20GB/月の小・中容量に対する新料金プランは、未発表(2021年2月25日現在)。ただ、OCNモバイルONE(NTTグループ)が6GB以下で健闘しています。ただ、10GBを超えると料金は高めとなる。
各社の音声通話SIMの具体的な料金プランは、以下のとおりです。
■ 楽天モバイルの料金
- 0 ~ 1GB:無料
- 1 ~ 3GB:980円(税込:1,078円)
- 3GB ~ 20GB:1,980円(税込:2,178円)
- 20GB以上:2,980円(税込:3,278円)
■ UQモバイルの料金
くりこし
プラン
Sくりこし
プラン
Mくりこし
プラン
L基本
データ容量3GB 15GB(注1) 25GB(注1) 余ったデータ容量は、翌月に繰り越しできます! 月額料金
()は税込1,480円
(1,628円)2,480円
(2,728円)3,480円
(3,828円)容量超過時
及び
節約モード
通信速度最大
300kbps最大
1Mbps最大
1Mbps節約モードなら、どれだけ使ってもデータ消費量ゼロ! 通話 別途、22円/30秒の通話料金が発生しますが、
以下の通話オプションが用意されています。
- 最大60分/月の定額:550円/月(税込)
- 国内通話10分かけ放題:770円/月(税込)
- 国内通話かけ放題:1,870円/月(税込)
契約解除料 なし
注1) 2021年4月ご利用分まで、くりこしプランMの月間データ容量は10GB、くりこしプランLの月間データ容量は20GBとなります。
■ ワイモバイルの料金
シンプル
Sシンプル
Mシンプル
L月間の
データ容量3GB 15GB 25GB 月額の利用
料金
()は税込1,980円
(2,178円)2,980円
(3,278円)3,780円
(4,158円)おうち割、
家族割適用後
(税込)
(注1)990円 2,090円 2,970円 データ容量
超過時の
通信速度最大
300kbps最大
1Mbps最大
1Mbps対応
通信方式4G/5G 通話 別途、22円/30秒の通話料金が発生しますが、
以下の通話オプションが用意されています。
- 国内通話10分かけ放題:770円/月(税込)
- 国内通話かけ放題:1,870円/月(税込)
注1)おうち割光セット(A)または家族割引サービス(2回線目以降)適用時、1,188円割り引かれます。
■ OCNモバイルONEの料金
月間データ容量 音声対応SIMカード
()は税込1GB 1,180円(1,298円) 3GB 1,480円(1,628円) 6GB 1,980円(2,178円) 10GB 2,880円(3,168円) 20GB 4,400円(4,840円) 30GB 5,980円(6,578円) 毎月、コースの変更が可能です(1月:3GBコース、2月:6GBコースなど)。
■ mineoの料金
データ容量 1GB 5GB 10GB 20GB auプラン
ドコモプラン
ソフトバンク
プラン1,180円
(1,298円)1,380円
(1,518円)1,780円
(1,958円)1,980円
(2,178円)
■ イオンモバイルの料金
(但し、60歳以上の方の料金、20GBを超える料金は省略しました)
月間データ容量 月額料金()は税込料金 500MB 1,130円(1,243円) 1GB 1,280円(1,408円) 2GB 1,380円(1,518円) 4GB 1,580円(1,738円) 6GB 1,980円(2,178円) 8GB 2,680円(2,948円) 12GB 2,980円(3,278円) 14GB 3,580円(3,938円) 20GB 3,980円(4,378円) 注)ドコモ、au共通の料金です。
■ IIJmioの料金
月間データ容量 音声通話SIMの月額料金
()は税込2GB 780円(858円) 4GB 980円(1,078円) 8GB 1,380円(1,518円) 15GB 1,680円(1,848円) 20GB 1,880円(2,068円) 注)タイプD(NTTドコモ)、タイプA(au)共通の料金です。
各社の特徴は?
料金だけをみると上表のようなことが言えますが、単に料金だけで格安SIMの会社を決めるのは避けたほうがいいでしょう。各社、サービス内容に違いがあり、メリット・デメリットを理解した上で格安SIMを決めると後悔も少なさそうです。
ここからは、各社の「おすすめのポイント」と「こんなところは要注意」についてまとめてみました。
楽天モバイル
おすすめのポイント
- まだ会員数が少なめなので、楽天回線網は他社の網より余裕があるようです。高速のデータ通信が可能です。
- 20GB未満のデータ容量では、使った分だけの支払いとなっています。
使用量が月によって大きく変動するという方(例えば、出張等で殆ど使用しない月があったり、月によっては20GBを超えるようなデータ量が発生するなど)は、効率的な利用ができます。 - 無制限に近いデータ量の使い方をしても、月額料金は2,980円(税込で3,278円)に抑えることができます。
- 規定のデータ容量を超過して使用しても、速度制限がかかることは殆どありません(他社の場合、最大1Mbps等に制限されます)。
- Rakuten Link というアプリを使えば、通話は無料でかけ放題!
- 実際のサービス(UN-LIMIT VI)開始は2021年4月からですが、事前に契約しても4月にはUN-LIMIT VIに自動的に無料でアップグレードされます。
- 端末の同時購入で、最大25,000の楽天ポイントがもらえます(2021年2月下旬現在)。料金の支払いには楽天ポイントも使えます。
他にも、いろいろな特典があります。詳細は、


をご覧ください。
こんなところは要注意
- 現在、サービスエリアを拡大中。エリアによって使用できない場合もあるので、事前にサービスエリアを確認しておく必要があります(サービスエリアは、こちらで確認できます)。
- まだ、使用できる端末に制限がある場合が多いです。特に、iPhoneについては、使い方に制限があったり、使えない機種があるので注意が必要です(詳細は、こちら)。
- 使用できる端末に制限があります。端末を同時購入する場合が殆どと言ってもいいでしょう。
UQモバイル
おすすめのポイント
- 携帯の回線にはau網を使用。全国的にカバーされているので、使用できるエリアが広いです。
- KDDIのサブキャリアなので、格安SIMでよく言われる「通信速度が遅い」「通信が不安定」という不評は少ないです。
- 使用できる端末も豊富。
- 余ったデータ容量は翌月に繰り越しが可能。データ容量を有効的に活用できます。
- 月額1,870円(税込)の追加で、国内通話がかけ放題に!
- 60歳以上の方には、操作が簡単な「おてがるスマホ」が用意されています。また、上記の国内通話かけ放題が、770円(税込)で利用できます。
UQモバイルの詳細は、

UQモバイルの口コミや評判は、

こんなところは要注意
- 使用できる携帯の回線はau網だけ。NTTドコモやソフトバンクには対応していません。
ワイモバイル
おすすめのポイント
- 携帯の回線にはソフトバンク網を使用。全国的にカバーされているので、使用できるエリアが広いです。
- ソフトバンクのサブキャリアなので、格安SIMでよく言われる「通信速度が遅い」「通信が不安定」という不評は少ないです。
- ワイモバ学割の適用で1,000円割引(翌月から1年間。但し、シンプル「S」は除く)、家族割(2回線目以降)適用で1,080円割引。両者の適用で月額900円(税込990円)からご利用可能!
- 使用できる端末も豊富。
- スマホの使い方に自信のないの方には、操作が簡単な「かんたんスマホ2」が用意されています。
- 60歳以上の方は、どのスマホでも国内通話がかけ放題になる「スーパーだれとでも定額「S」(税込月額1,870円)」が、770円/月で利用できます。
- 2つ折りのガラケーも販売されています。通話が中心で殆どデータアクセスはしないという方は、国内通話かけ放題込みでも、税込月額2,127円(端末代は含みません)から利用可能!
ワイモバイルの詳細は、

ワイモバイルの口コミや評判は、

「ワイモバイルでガラケー」の詳細は、

こんなところは要注意
- 使用できる携帯の回線はソフトバンク網だけ。NTTドコモやauには対応していません。
- 新料金プランは、従来のプランから「国内通話10分かけ放題」を切り離しただけ。UQモバイルと比べても、全体的に高めの料金になっています。
- 余ったデータ容量の繰り越し機能はありません。
OCNモバイルONE
おすすめのポイント
- 携帯の回線にはNTTドコモ網を使用。全国的にカバーされているので、使用できるエリアが一番広いです。
- 格安SIMの中では、販売されている端末の種類が多い!
- 余ったデータ容量を翌月に繰り越すことが出来ます。
- 人気のミュージックサービスが、通信容量を消費せずに使用できます(カウントフリーサービス)。
- 全国80,000施設(駅、空港、ファーストフォード、ホテル、デパート、商業施設、大学、図書館等)に設置されたWi-Fiを、通信容量を気にすること無く無料で使用可能です。
OCNモバイルONEの詳細は、

OCNモバイルONEの口コミや評判は、

こんなところは要注意
- 使用できる携帯の回線はNTTドコモ網だけ。ソフトバンクやauには対応していません。
- UQモバイルやワイモバイルと異なり、NTTドコモから回線を借りてサービスを提供するMVNOなので、通信速度や通信の安定性は、この両者に劣るかもしれません。
- UQモバイルやワイモバイルのように、60歳以上のシニア層の方に優しい端末や料金プランが用意されていません。
mineo
おすすめのポイント
- NTTドコモ、au、ソフトバンクのトリプルキャリアに対応しています。しかも、新プラン(マイピタ)では、同じ料金に統一されています。
- 格安SIMの中では、mineoの新料金プランは安い方だと言えるでしょう。
- データ容量を節約できるパケットギフト、パケットシェア、フリータンクというサービスが無料で利用できます。
- 全てのコンテンツが、最大500kbpsの通信速度でデータ使いたい放題という設定も可能。
- mineoのコミュニティーサイト「マイネ王」はよく知られています。分からないことがあれば、こちらのサイトを利用しましょう。
mineoの詳細は、

こんなところは要注意
UQモバイルやワイモバイルと異なり、3大携帯会社から回線を借りてサービスを提供するMVNOなので、通信速度や通信の安定性は、この両者に少し劣るかもしれません。
UQモバイルやワイモバイルのような「国内通話かけ放題」のサービスがありません。通話機能は、両者と比較すると劣るようです。
イオンモバイル
おすすめのポイント
- 日本全国に展開している200以上の店舗で、契約の申込みやスマホの設定等のサポートが対面形式で受けられる。
- 特に60歳以上の方にはおすすめ。専用の「やさしい料金プラン」や端末が用意されている。
- また、月間のデータ使用量が12GB未満の方にもおすすめ!
特に、3.について簡単に説明すると、イオンモバイルは、
- 12GB未満の音声SIMの料金プランが、他のキャリアや格安SIMと比較して細かく設定してある
- 余ったデータ容量を翌月に繰り越せる
- データ容量のプラン変更が月単位で可能
となっているので、
- データ消費の無駄を極力減らすことができます。
- 出費の無駄も極力抑えることができます。
詳細は、

でもっと詳しく説明していますので、是非、ご覧ください。
こんなところは要注意
使用できる携帯の回線はNTTドコモとau網。ソフトバンクには対応していません。
UQモバイルやワイモバイルのような「国内通話かけ放題」のサービスがありません。
IIJmio
おすすめのポイント
- 2021年2月24日の新料金プランが発表され、格安SIMの中では最安値級の料金になっています。
- NTTドコモ、auに対応しています。
- データ繰り越しができるので、当月余ったデータ容量を翌月に繰り越せます。
- 容量のシェアもできるので、ご家族で容量を分け合えます。ファミリー向けの格安SIMです。
- 音声通話SIM以外にも、SMS SIM、データSIM、eSIMに対応するなど、細かい対応になっています。
IIJmioの詳細は、

こんなところは要注意
使用できる携帯の回線はNTTドコモとau網。ソフトバンクには対応していません。
UQモバイルやワイモバイルのような「国内通話かけ放題」のサービスがありません。
まとめ
3大携帯キャリアに続き、格安スマホ・格安SIMの各社からも新しい料金プランが発表され、既に運用を開始しているところもあります。
特徴は、0~20GB以下の小容量から中容量に焦点を当て、従来より料金が大幅に安くなっていることです。
ただ、料金が安いからと言って飛びつくのは危険。各社料金以外にも魅力的なサービスを提供していたり、逆に、欲しいサービスがなかったり、別途オプション料金が発生するという場合もあります。
各社サービス内容を理解し、快適なスマホ生活を送りたいですね。