格安SIMへの乗り換え手順・流れを理解する

格安SIMへの乗り換え手順・流れを理解する

「月々のスマホ代金が削減できそうだ!」
「友達からも、格安SIMに乗り換えてみるといいよ!」と勧められた。

格安SIMへ既に多くの方が乗り換え済みで、ユーザー数も1,300万人を超えるまでに普及しています。でも、まだ、多くの方がどうしようかと悩まれているのも事実のようです。

その乗り換えを思いとどまってしまう理由の一つが、「乗り換えるためにどのような流れを踏めばよいのかがよく分からない」から。

そこでここでは、キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)から格安SIM(MVNO)へ乗り換えるための流れ・手順をまとめてみました。是非、参考にしてみて下さい。

手順1. 格安SIMに乗り換えるべきかどうか

まず、格安SIMに乗り換えた後に後悔しないよう、格安SIMのメリット・デメリットをしっかり押さえておきましょう。

格安スマホのデメリット

をご確認下さい。

確認が終わったら、次のことを再度確認しておきましょう。

① 現在のデータ使用量を確認する

すでにスマホを持っている人は、今契約しているキャリアの1ヶ月あたりの「通信使用量」をチェックしましょう。つまり、現在、自分が月々何GBの(どれくらいの)データ量を使用しているかどうかを把握します。

 

② 現在のスマホで「通話」が占める割合が多いかどうかを確認します。

次に、毎月の通話時間がどれくらいかを確認します。

通話時間が長いと思われる方は、参考までに以下をご確認ください。

  • 3大キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)が現在提供している「かけ放題」は、月額1,870円(NTTドコモ)から1,980円(au、ソフトバンク)(2021年3月以降の新プランの場合)
  • 一方、格安SIMの場合、一般的な通話料は44円/分。これを1時間に換算すると、2,640円になります。
  • 単純に計算しても、毎月の通話時間が42分(NTTドコモの場合)を超えるようだと、格安SIMのほうが通話料が高くなります。

ただ、今では、殆どの格安SIM会社(MVNO)が、「かけ放題」サービス(但し、別料金)を提供しています。

例えば、

  • 国内通話の時間制限なし・回数も無制限(Y!モバイルUQモバイル)。
  • 1回の通話が30分以内であれば、かけ放題(IIJmio、但し条件あり)。
  • 1回10分以内の国内通話であれば、すでに多くの格安SIM(MVNO)でかけ放題

といった、かけ放題のサービスです。

1回の通話時間が比較的短いということであれば、これらの「かけ放題」のサービスを検討してみるのも良いでしょう。

 

 

 

手順2. 乗り換えのタイミングをチェック

「2年縛り」が軽減された!

携帯電話の契約には、今まで「2年縛り」というのがありました。
契約更新月とその前後1ヶ月以外のタイミングで契約を解除しようとすると、違約金として10,450円を払う必要がありました。

2019年10月、「改正電気通信事業法」という新しい法律が施行されてからは、その違約金が1,100円以下に抑えられたのです。

ただし、無条件に1,100円以下になったか?というとそうではありません。

 

まずは、「新プラン」へ移行しよう!

それは、格安SIM(MVNO)へ乗り換える前に、各キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)が新しく用意した新プラン」に乗り換え適用されていること。これを忘れると、今まで同様の高額な違約金を支払う必要があります。

この新プランへの移行は即可能なものの、プラン変更が適用されるのは翌月。ですから、新プランが適用されてから格安SIM(MVNO)への乗り換えを行う必要があります。

 

ドコモの場合は、ここに注意

また、ドコモの場合ですが、1,100円という違約金が適用されるためには、もう一つ条件があります。

ドコモの場合、上記のように新プランに変更したとしても、旧プランの2年縛りが引き続き残るので、最初の契約更新まで、違約金は10,450円のままになっています。

このような条件がついているので、特にドコモユーザーの方は、現契約期間を事前にチェックしておく必要があります。

 

 

手順3. スマホ本体と格安SIM会社(MVNO)を決める

スマホ本体はどうする?

格安SIM(MVNO)に乗り換えるにあたり、スマホ(端末)はどうしますか?

  1. そのまま持ち込んで使用する
  2. この際だから、端末も新しいものを購入する

それぞれについて、注意しておきたいことをご紹介します。

 

1. そのまま持ち込んで使用する場合

今まで、3大キャリア(ドコモ,au、ソフトバンク)で使用していたスマホ本体をそのまま持ち込み、格安SIM(MVNO)への乗り換えを検討されている方は、

  • MVNOで動作確認済の機種か?
  • SIMロックの解除が必要?

に注意する必要があります。

動作確認済かどうかは、各MVNOのサイトの「確認済端末の一覧」でチェックします。

SIMロックの解除については、大まかですが、次のようになります。

今までの
携帯会社
新しい
MVNO
SIMロックは?
ドコモドコモ系の
MVNO
解除不要な場合が多い。
auau系の
MVNO
VoLTE用SIMは、SIMロックの
解除が必要。
ソフトバンクソフトバンク系の
MVNO
SIMロックの解除が必要。

auとソフトバンクに関しては、SIMロックを解除しないと、格安スマホが使えない場合が多いので、格安SIM会社(MVNO)と契約する前に、必ず、MVNOのサイトに掲載されている「動作確認機種一覧」でSIMロック解除の要/不要を確認して下さい。

(2015年5月以降に発売となった機種は、自分自身でもSIMロックを解除する事ができます)

少し専門的な内容も含みますが、こちらの

404 NOT FOUND | 【2023年最新】格安SIMおすすめ10選を人気の15商品から比較!
数ある格安SIMの中から15商品を選別。更にそこから、2023年最新情報に基づき、おすすめの10商品を比較!

の記事も併せてお読み下さい。

 

2. 新しく端末を購入する場合

現在では、3万円以下でも高性能なスマホを購入することができます。

一番のおすすめは、各格安SIMの会社(MVNO)の端末セットを利用してスマホ本体も購入することです。

理由は、

  • 動作確認が取れている機種なので、安心して利用することができる。
  • スマホ本体を一括払いだけでなく、分割払いでも購入することができる。
  • 幾つかの乗り換え手順を省略でき(端末の動作確認、SIMロック解除、APNの設定など)、乗り換えが楽になる。

このように、基本的には、格安SIM会社(MVNO)が販売しているスマホを購入するのがおすすめです。

 

その他にも、格安スマホ本体のメーカーの公式サイトから購入する方法もあります。

例えば、新しいiPhone。最新機種やiPhoneXシリーズ等は、残念ながらMVNO経由で購入することができません。Apple Store やAppleの実店舗で購入し、格安SIMのサービスに持ち込んで利用することになります。

 

格安SIM会社(MVNO)を決める

格安SIM(MVNO)には色々なプランがありますので、「格安スマホに乗り換える目的、あるいは、どのように使いたいか?」を明確にしておきましょう。

まず、MVNOが提供している回線には、ドコモ系、au系、ソフトバンク系(Y!モバイル)がありますので、どこの回線を利用するかを決める必要がります。

これが決まったら、

◆スマホ本体も同時に購入するのか?
◆1ヶ月の使用するデータ量の目安は?
◆通話でも利用するのか、利用する場合の通話時間はどれ位か?

に従って、格安SIM会社(MVNO)の料金プランや通話オプション等を選んでいくことになります。

ご参考までに、各MVNOの料金を見てみましょう。

データ通信量=3GBの場合
(キャンペーンや割引期間の料金等は考慮していません)

 格安SIM
会社名
月額料金備考




 

OCNモバイル
ONE
900円
(税込990円)
新料金プラン
IIJmio980円
(税込1,078円)
新料金プラン
mineo1,380円
(税込1,518円)
新料金プラン
「マイピタ」
BIGLOBE
モバイル
1,200円
(税込1,320円)
新料金Dプラン

イオンモバイル

1,180円
(税込1,298円)
新料金
さいてきプラン
au

UQモバイル1,480円
(税込1,628円)
くりこしS
mineo1,380円
(税込1,518円)
新料金プラン
「マイピタ」
BIGLOBE
モバイル
1,200円
(税込1,320円)
Aプラン

イオンモバイル

1,180円
(税込1,298円)
新料金
さいてきプラン






ワイモバイル1,980円
(税込2,178円)
シンプル「S」
mineo1,380円
(税込1,518円)
新料金プラン
「マイピタ」



楽天モバイル
980円
(税込1,078円)
UN-LIMIT VI

 

データ通信量=6GBの場合
(キャンペーンや割引期間の料金等は考慮していません)

 MVNO名月額料金
(税抜)
備考




 

 

OCNモバイル
ONE
1,200円
(税込1,320円)
新料金プラン
IIJmio1,380円
(税込1,518円)
新料金プラン
mineo1,780円
(税込1,958円)
「マイピタ」10GB
で代用
BIGLOBE
モバイル
1,700円
(税込1,870円)
新料金Dプラン
 イオンモバイル1,480円
(税込1,628円)
新料金
さいてきプラン
au

UQモバイル2,480円
(税込2,728円)
くりこし「M」
mineo1,780円
(税込1,958円)
「マイピタ」10GB
で代用
BIGLOBE
モバイル
1,700円
(税込1,870円)
新料金Aプラン
 イオンモバイル1,480円
(税込1,628円)
新料金
さいてきプラン






ワイモバイル2,980円
(税込3,278円)
シンプル「M」
mineo1,780円
(税込1,958円)
「マイピタ」10GB
で代用



楽天モバイル
1,980円
(税込2,178円)
UN-LIMIT VI

 

SIMサイズにも注意!

従来のスマホを持ち込む場合、SIMのサイズにも注意しましょう。

SIMには、以下のように3つのサイズがあります。

 

 

 

手順4. MNP予約番号を取得する

今まで使用していた電話番号を維持したまま格安スマホに乗り換えたい場合、MNP(Mobile Number Portability:携帯電話番号ポータビリティ)の予約番号を取得する必要があります。

方法としては、
①電話で取得する
各キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)が用意しているMNP専用ダイヤルに電話する方法です。

②店舗で取得する
お近くのキャリアの店舗に行き、「MNP」したい旨を伝えます。

③ネットで取得する(但し、ドコモのみ)
ドコモの場合、パソコン(スマホやガラケーからは不可)から「My docomo」のページでMNP予約番号を取得します。

MNP予約番号とは?

MNPを現在のキャリアからMVNOに引き継ぐ際に必要となる番号です。現キャリアに転出届けを出して、MVNOに転入届を出す際に必要となる番号、というイメージで捉えて頂くと良いでしょう。

つまり、

① 現在契約中のキャリアから、MNP予約番号を取得する。

② 格安SIMの申し込み・契約時に、このMNP予約番号を入力。

③ 端末及びSIMカードが届いた時に開通作業を行えば、自動的に現在のキャリアの解約が成立する。

という流れになります。

注意事項

① MNP予約番号を取得すると、現キャリアにMNP転出手続き費用として3,000円が請求されます。

② 格安SIM(MVNO)でMNP利用により申し込む際は、現在のキャリアとの契約名義と格安SIMの会社(MVNO)の契約名義が同一である必要があります。

③ MNP予約番号の有効期限は15日となっていますが、格安SIM申込時にはその有効期限が10日以上残っていることが必要です。
(この日数はMVNOによって若干異なります。多くのMVNOでは10日ほどは必要なので、MNP予約番号を取得したら、格安SIMの申し込みは早めに行って下さい

④ 万が一、その有効期限が指定された日数以上残っていない場合は、MNP予約番号を取り消し、再度取得し直しとなります。

 

申込み・契約を行う

以上のことが決まったら、申込み・契約を行います。

申込み・契約は、

  • 各格安SIMの公式サイト経由(オンライン)
  • リアル店舗

のどちらかで行なえます。

尚、携帯番号の申込みには、法律によって公的な書類(運転免許証等)の提出が義務付けられていますので、事前に用意しておきましょう。

 

 

手順5. 端末あるいはSIMカードが届いたら

申込み・契約の手続き終了後、数日で端末及びSIMカードが届きます。

① SIMの開通作業を行う

端末及び格安SIMカードが自宅に届いたら、まず、お手持ちの格安スマホ端末にSIMカードが挿入できるかどうか、SIMサイズを確認します。また、挿入時には、表裏を確認して無理に押し込まないようにしましょう。

次に、電話番号切り替え申し込みを行います。同封の説明書に詳しく説明があるので、それに従って切り換え(開通作業)を行って下さい。

② APNの設定を行う

開通作業が終了すると、登録しておいたメールアドレス宛にメールの通知がきます。この時点で、以前の携帯電話は正式に解約され、格安スマホの利用が可能となるはずです。

ただし、ネットを利用する場合は、自分自身でスマホAPNの設定を行う必要があります。
SIMカードに同封されているAPN設定の書類を見て、ご自身でAPNプロファイルを作成します。

APNとは、インターネットのようなネットワークへ接続する時に必要となる設定のこと。

iphoneの場合:
各MVNOのサイトから「構成プロファイル」と呼ばれるものをインストールしますが、回線がまだつながっていない状況でネットに接続する必要があるので、Wi-Fi環境のある場所で、この構成プロファイルのインストールを行う必要があります。

android端末の場合:
端末の「設定」から、「無線とネットワーク」になる「もっと見る」に移動し、「モバイルネットワーク」の「アクセスポイント名」を選択します。MVNOから提供される情報をもとに、「APN」「ユーザ名」「パスワード」「接続タイプ」を入力します。

いずれの場合も、SIMカードに同封されてくるAPNの設定方法で確認しましょう。

 

 

手順6. 新しい格安スマホ本体に電話帳を移行する

以前使用していたスマホをそのまま格安SIMに乗り換えた場合は、それ程気に留める必要はありませんが、新規にスマホを購入した場合、以前のスマホから新しいスマホに電話帳を移行する必要があります。

3つの方法があります。

1.以前使用していたスマホがandroidスマホであれば、「Google アカウント」で電話帳を移行できます。この「Google アカウント」には電話帳機能があり、電話帳を同期させれば、iphoneにも連絡先を同期させることが可能です。

2.以前使用していた電話がガラケーの場合、手っ取り早い方法は、SDカードのデータをパソコンに保存し、パソコンを介して電話帳のデータを移行します。

3.androidスマホの場合、「JSバックアップ」等のアプリを使用して、電話帳を移行させる方法もあります。「JSバックアップ」は、移動先がiphoneでも利用可能です。

 

 

手順7. IP電話や格安でんわを導入する

現在のキャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)には、かけ放題プランというものが用意されており、月額1,870円から1,980円で利用可能です。

一方、格安SIMを使用して通話を行う場合の通話料金は、44円/分。単純に計算しても、1ヶ月の通話時間が43分を超えると、キャリの場合よりも通話料金が高くなります。

ただ最近では、この格安SIMのデメリットを出来るだけ解消できるよう、殆どの格安SIMで「かけ放題」のサービスが提供されています。

  • 国内通話の時間制限なし・回数も無制限(Y!モバイルUQモバイル)。
  • 1回の通話が30分以内であれば、かけ放題(IIJmio、但し条件あり)。
  • 1回10分以内の国内通話であれば、すでに多くの格安SIM(MVNO)でかけ放題

これらの「かけ放題」は、毎月別料金が発生しますが、もっと安い料金で使える「IP電話」や「格安でんわ」の導入も進んでいます(「IP電話」と「格安でんわ」の違いについては、こちらを参照して下さい)。

但し、IP電話なので音声の質(クオリティ)は、上記かけ放題と比べると良くないですが。

IP電話」(例えば、050-IP電話)は、ネットの回線を利用して音声データを転送する仕組みなので、ネットが混んでいると、音声が途切れたりうまく聞き取れない等の不便が発生する場合があります。しかし、8.8円/30秒~3分、月額基本料も無料~400円など、利用料金が非常に安いのは魅力ですよね。

一方の「格安でんわ」は、現在使用しているスマホの090番号で発着信ができ、音質は、電話回線を使用するので従来の電話と同じです。しかも、多くのMVNOでこの格安でんわの拡充が進んでおり、時間制限なし・回数も無制限や1回の通話が30分以内であればかけ放題といったサービスも現れてきています(詳細は、こちらをご覧ください)。

【2020年4月12日追記】
2020年4月8日、楽天モバイルは新しく「UN-LIMIT」を開始しました。データ容量無制限、無料で国内通話かけ放題、しかも月額2,980円(税込3,278円)というサービスです。詳細は、こちら

 

 

まとめ

以上、格安SIMが利用できるようになるまでの流れを簡単に説明しました。

格安SIMをうまく使いこなせば、従来のキャリアスマホの月額料金を格段に安く抑えることが出来ます。

これからは、格安SIMの時代。スマホ代を節約して、旅行やその他の個人的な大切な用途に使えるようになると良いですね。