格安SIMで使える電話には、通常の電話の他にIP電話や格安でんわがあります。
通常の電話と違い、これらのサービスを使うと通話料金を安く済ませられることが特徴です。 しかし、通話料金が安いだけあって、これらのサービスにはデメリットもあります。
ここでは、IP電話と格安でんわを比較し、そのしくみや細かい違いについても比較してみます。
IP電話とは?メリット/デメリット
まず、IP電話について解説します。
IP電話は、普通の電話とは異なる電話サービスです。IP電話を一言で言うと、インターネット回線を使って電話をするサービスです。
インターネット回線であるために、料金を普通の電話回線による通話よりも安く抑えられるのが、IP電話の最大のメリットです。
例えばOCNモバイルONEとセットで契約できる050Plusの場合、固定回線宛の発信なら3分8円、携帯電話宛なら1分16円で発信することができます。
もう一つのメリットは、IP電話だと、データSIMやSMS SIMでも使える場合が多く、通話SIMは不要。SIMの料金を抑えることができます。これはインターネット回線での通話であるためですね。
通話料金が安上がりなIP電話ですが、デメリットもあります。それは、通話品質が劣ってしまうことです。
遅延があったり、回線が不安定で音が乱れたりすることがあったりするのが、IP電話の欠点ですね。重要な用件を伝えるのにはあまり向いていません。
そしてもう一つ、SkypeやLINEでのIP電話は、電話番号がないために、相手に非通知で発信されます。
電話番号がない関係上、相手が通常の固定電話やIP電話からLINEやSkypeの番号にかけることもできません。これもデメリットに挙げられますね。
格安でんわとは?メリット/デメリット
格安でんわは、通常の電話ですが、多くの場合、専用の回線(プレフィックス回線)を使うことで料金を抑えています。
格安でんわの場合、通話料金は主に30秒10円です。そして、オプションとして用意されている「10分かけ放題」や「通話定額」を契約すれば、より安く通話することができます。
IP電話と比較すると、格安でんわは、通常の電話であるため通話品質が良いことがメリットですね。ただし、デメリットとして挙げられるのが、通話料金がIP電話と比較すると高めである場合も多いことです。
そして、IP電話は、個別での契約ならMVNOを問わず利用できますが、格安でんわは、契約した格安SIM(MVNO)でしか使えない場合が多いですね。
IP電話と格安でんわを比較。どちらを使うべき?
IP電話と格安でんわ、どちらを使うべきか迷いますよね。それぞれどういった用途に向いているか解説します。
◆IP電話は、事務的な用途で、あまり通話品質が重要じゃない場面で使える
IP電話は、例えば宅配便の不在票が入っていて再配達を依頼したり、出前を頼んだりするなどの、ちょっとした用件を伝えるために使うのに最適です。
本来は、通話料金が安いため長電話にも使いたいところですが、通話品質がいまいちであるため、長電話だとストレスが溜まる可能性があります。
◆格安でんわは、家族や友人との通話に最適
格安でんわは、家族や友人との通話に最適です。通話品質は通常の電話とあまり変わりませんので、とくにストレスなく会話することができますよ。
ただし、通話料金が高いため、やはり長電話には向いていません。長電話をする機会が多いなら、ワイモバイルの「スーパーだれとでも定額」、あるいはUQモバイルの「国内通話し放題」を契約するか、キャリアのかけ放題を契約した方が良いでしょう。
まとめ
以下は、IP電話と格安でんわの比較のまとめです。
IP電話 | 格安でんわ | |
キャリア 携帯通話 との比較 | ■メリット: 通話料金を安く抑えられる (但し、長電話や頻繁に通話する場合、キャリアの 通話定額制の方がお得になるケースあり) | |
■デメリット: 緊急通話(110/119)、ナビダイヤル(0570)などの 接続サービスは使えない。 IP電話の場合、通話品質があまり良くない | ||
使用する インフラ | インターネット | 専用のプレフィックス回線 |
メリット | ■もっとも料金が安い ■データSIM、SMS SIM でも使用可能の場合あり | ■通常の携帯電話と比較 して、料金は半額 ■発信者通知可能 (090等で通知可能) ■IP電話よりも通話品質 が良い ■オプションを利用すれば、 さらに安く利用可能 |
デメリット | ■通話品質が、格安でんわ よりも劣る ■SkypeやLINEの場合、 相手に非通知で発信される | ■通話料金がIP電話より も高め ■契約したMVNOでしか 使えない |
サービス例 | ■OCNモバイルONEの050plus など | ■ 楽天でんわ ■ OCNでんわ など |
料金 | ■8円/3分 (宛先が固定電話の場合) ■16円/分 (宛先が携帯電話の場合) | 20円/分 |
使用例 | ■宅配便の再配達依頼 ■出前を頼むんだりする などの、ちょっとした用件 を伝える場合 | ■家族や友人との通話 (但し、通常の電話に比べ て料金が高いため、長電話 には不向き)など |
IP電話は、インターネット回線、格安でんわは、通常の電話回線において「プレフィックス回線」を通して通話する方式です。
どちらも普通の30秒20円の電話よりも安く通話できるのがメリットですが、本当に電話をよく使い、長電話をすることが多いなら、キャリアの方が安上がりになることもありますので注意しましょう。